特集:小児の歯の外傷について

ある日の夕方、友達と遊んでいた際に上顎前歯を受傷し、前歯が破折した状態の小学生の男の子が、折れた歯を持って当院に来られました。

治療前 治療後


まず、以下のような問診を行いました。
★受傷の時刻:(受傷から処置までの時間が予後に影響する。)
→本症例は来院時に受傷から1時間経過しており、来院時に痛みがありました。

★受傷の場所:(不潔な場所での受傷には破傷風の予防を考慮。)
→本症例は屋外での受傷でした。

★受傷の方法:(衝撃の方向や大きさから外傷の程度を推測できる。)
→本症例はふりまわしていた棒が前歯にあたったとのことでした。

★外傷時の意識不明、記憶喪失、嘔吐、頭痛の有無を確認:(該当事項があれば脳への損傷を疑い、脳外科を紹介する。)
→本症例では該当事項はありませんでした。

 問診後、口腔内診査、レントゲン写真による診査を行ったところ、本症例は歯が露髄している困難な症例でしたが、迅速で適切な治療(折れた歯の根っこの神経処置及び折れた部分の顕微鏡による接着修復)を行ったところ、写真に示しましたように歯折した歯がほぼ元どうりに回復されました。

 このように、外傷によりお子様の歯が折れてしまったり、抜けてしまった場合でも適切な処置を行えば救える場合があります。

 お子様が受傷された際には慌てずに折れた歯や抜けた歯を拾って、できれば乾燥させないように目薬、コンタクトの保存液、冷えた牛乳、唾液、生食などに入れた状態で保存し、早急に歯科医院を受診してください。

 また、このような緊急事態に備えて、普段からお子様とご一緒に歯科医院を受診されなんでも相談できるかかりつけの歯科医院があると安心でしょう。

 当院ではお子様の歯科治療や定期健診を行っていますので、お気軽にご相談ください。

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